El Mylar

映画・音楽作品の感想とか。

名もないキャラクターを無下に捨てられない

高校生ぐらいの頃、家に帰ると母親が出掛けていて、夕飯の作り置きと一緒にメモが添えられていることがあった。

「あたためて食べてください」

そんなのわざわざ書かなくたって分かるのに、と思ったけど、母の気持ちに感謝しつつ、ラップがかけられた食事の上にあったそのメモを手に取り、捨てようとした。

が、捨てられない。

母の気持ちや、母の文字を見て、なんとなく捨てづらい、といった気持ちも多少あるのだが、それとは別に、その小さなメモ切れの端っこに印刷された、名も知らぬキャラクターのイラストが引っかかった。

そのキャラクターは二頭身くらいのクマのキャラクターで、口を開けて右手を挙げて笑っているイラストだった。もうちょいメジャーならサンリオのキャラクター群の中にいそうな、ファンシー系の、シンプルなイラストだ。

↑イメージ。

このメモ帳自体は母親が百均かどこかで買ってきたもので、このキャラクターも別に名前などなく、製造元も全然知らないメーカーだった。

しかし、僕はどうもこの「名も無きキャラクター」が愛おしく感じて、無下にメモをくしゃくしゃっと丸めて捨てられなくなっていたのである。

結局、なんだかよく分からないがそのメモを2週間くらい自分の机に置いておいて、名も無きクマさんと何度かアイコンタクトを交わした後、ゴミ箱に丁寧に置いて捨てた。


幼少期に映画「トイ・ストーリー」を見た影響がどこかにあったりするのか、僕はどうも、こういう「無名のキャラクター」が描かれたモノをポイッと捨てることができない。

それこそハローキティだとかポケモンだとか、有名どころのキャラクターが書かれたモノはそんなに気にならないのに、名前も付けられていないキャラクターが、誰にも愛されることなく葬られて、世界からその存在すら忘れ去られていってしまうのではないか、という気がして、何か悲しくなるのだ。

だから何か抱きしめてあげたくなるし、もう少し自分が看取ってやろう、みたいな気分になる。


何この話?

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