El Mylar

映画・音楽作品の感想とか。

映画「キッド Disney's The Kid」と Stevie Wonder - I Wish

映画「キッド」を見た。2000年公開、ブルース・ウィリス主演のディズニー映画。

ある日、40歳の自分の前に、8歳の頃の自分が現れて…という映画。「あの頃何になりたかったかな」「今の自分は、なりたかった自分になれているかな」と感じる映画だった。

ネットで他人のレビューを見ると、「40歳のラス (ブルース・ウィリス) は、幼い頃の夢は叶えていないけど、いじめられっ子だった過去をバネに成功者になったワケで、それを否定されるのはどうなん?」「大人になってから芽生えた夢は否定されるものなの?」という意見もあった。確かに自分も、ブルース演じる40歳のラスがバリバリ働く姿は悪くないと思っている。

ラスが子供の頃の夢だったパイロットになれていないことが問題ではないし、劇中でも「宇宙飛行士になりたかった子供の何人が夢を叶えられている?」と、小さい頃の夢をそのまま叶えることが全てとは言っていない。

そうではなくて、「子供の頃に大事にしていた価値観や好きだったことを、後からとってつけた理由で諦めていないか?」ということなんじゃないかな、と。

ラスの場合は、肥満児でいじめられてきた反動で、一生懸命勉強し、自分の外見をコントロールし、他人にもその術を教える職業についた。コンプレックスを解消する努力はしてきたんだろうけど、その代わりに、「犬を飼いたい」とか「飛行機が好きだ」とか、友達や恋人を作るとか、そういうことを忘れて、犠牲にしてきた。

興味がなくなったことなら別にいいんだけど、心の底では本当はやりたいと思っていることを、大人の理由で諦めているんだったら、何か思い出してやってみたらどう?ぐらいに感じた。

…自分の場合は、幸いなことに、趣味を仕事に生かした方面だし、仕事や生活のために諦めていることもまだ別にないし、そもそも小さい頃から「何もせずに寝てたい」ぐらいの夢しかなくて、幼稚園では仕方なく「オーレンジャーになりたい」と思ってもいない将来の夢を書いたりしてたから、これを機に!!ってことはあんまりないんだけど…。ただ、劇中の「今日やらなかったら、明日やることになる」というセリフは、「明日やろうはバカ野郎」と同じで、ダラダラと生きてる今をハッとさせてくれる言葉だった。

父親が「泣くんじゃない!」とつい怒鳴ってしまった日を堺に自分が変わった、というシーン、凄くジーンときた。自分のクセや考え方ができた瞬間で、今の自分ができた原因であったと同時に、親父も不安だったんだ、と理解するこのシーンは、とてもグッとくる。


The Kid (2000) Scene: “I thought you never cried?”

ラストは見事に夢を叶えている将来のじいさんウィリスが登場する。

何やら「スティンカーズ最悪映画賞」(今でいうゴールデンラズベリー賞みたいなもの) を受賞していたらしいけど、そこまで酷くはなかったと思う。ただ、ディズニー映画なので、お約束な音楽とか、SF の中でも辻褄合わせとかをしてくれないとか、子供が正義な感じとか、まぁまぁそういうところはあるけど。金曜ロードショーじゃなくて日曜洋画劇場で流れる映画、な感じか。w


日本版の予告編が森本レオナレーションで、全然映画の印象と違う。オリジナルの予告編の方が忠実だ。そしてオリジナル予告編で BGM に使われていたのが Stevie Wonder の I Wish だ。


Disney’s The Kid - Trailer

ディズニー公式の動画が YouTube にあったけど、つべだと著作権の問題なのか、それとも別バージョンなのか、I Wish は使われていない。


Stevie Wonder - I Wish (the original version)

悪いことしてたあの頃に戻りたいな、っていう感じの歌詞で、日本人が作ると尾崎豊みたいな陰湿なつまんない感じになるんだけど、黒人が作るとこうもファンキーになるもんか、と驚く。

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I Wish (Album Version)

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